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新年近づくフィリピン、花火の負傷者すでに160人以上

記事の概要

フィリピン保健省のエリック・タヤグ次官補によると、28日までに164人が新年を祝う花火で負傷し病院に搬送された。負傷者の中には花火で右手を失った14歳の少年や、片目の眼球が破裂した男性など重症者もいる。

フィリピンでは花火の音が悪霊を追い払うと信じられており、花火で新年を祝うのが伝統だ。昨年は年末から年始にかけて400人以上が花火で死傷している。

元の記事を読む→ 【2013年12月29日:AFPBB News

フィリピンの年末年始の風物詩

今年もこの季節がやって来ました、なんて言うと不謹慎ですが。毎年この季節になるとこのニュースが流れます。日本でいうところの、正月にお年寄りがお餅を喉に詰めてお亡くなりに、みたいな感じです。いやはや。

フィリピンでは新年を花火で迎えます。ショッピングモールみたいなところで大花火大会は言うまでもなく、一般家庭でも貧しいフィリピン人がどうやって調達したのかと首を傾げたくなるほどの大量の花火を打ち上げます。

おかげで大晦日のマニラはクーデターが起きて市街戦でも始まったのかと思うほどの様相を呈しますし、あまりの煙にニノイ・アキノ空港への着陸を取りやめる航空機があるとかないとか。

大晦日のマニラの夜空を写した動画がありましたのでご覧ください。

拳銃も登場!

花火を楽しく愛でるだけなら良いのですが、花火が人を直撃したり暴発したりして怪我をする、それも指や手を失う人が毎年出ます。それだけではありません。フィリピンは銃の保持が合法ですので、爆竹代わりなんだか景気付けなんだか知りませんが、空に向かって拳銃をぶっ放すアホが必ず毎年出ます。

そして、フィリピンにも他の国と同様に引力というものがありますので、ぶっ放した銃弾は必ず落ちてきます。で、それにあたってけがをする人が出ます。さらに、酔っ払って上以外の方向にぶっ放す輩もいまして、今年の正月には4歳の男の子が亡くなっています。

さて、新年を花火や爆竹で迎えるというと、本家本元は中国でしょう。2013年の正月はフィリピン全土で400人が死傷しましたが、中国はどうなのか? 調べてみたところ、2012年の春節に北京市では負傷者223人、死者1人でした。(出典:人民網)フィリピンの人口1億人に対して北京市は2千万人。比率で見るとやはり本家強しです。

ところで、中国ではPM2.5など大気汚染が深刻化しています。爆竹も影響が大きいということで、2013年の春節は自粛が呼びかけられました。その結果、北京では前年比で火災が45%減、負傷者も29%減ったそうです。(出典:中国ビジネスブログ

日本とは違う賑やかな年越しも楽しいことは楽しいのですが、新年早々お葬式ってのもよろしくありませんし。少しは花火も自粛しては?と思うのですが。クリスマスから新年までの大騒ぎのために生きているフィリピン人ですので。来年の年末も同じようなニュースが流れるのでしょうか。